DaVinci ResolveとAffinity Designerの切っても切れない関係
公開日:2024/02/12
最終更新日:2024/02/12
DaVinci Resolveは純粋な動画編集ソフトですが、今回は画像編集ソフト、いわゆるグラフィックソフトである「Affinity Designer(アフィニティー・デザイナー)」について解説します。
グラフィックソフトが動画編集に関係あるの? と不思議に思われるかもしれませんが、実は映像制作、特に1人で作業を完結させなければならないフリーランスや趣味、副業など個人制作者にとってこの画像編集・デザインスキルの獲得は絶対に必要なことで、オンラインコミュニティー『Step2(ステップ)』では不定期ながらこのAffinity Designerの使い方に関するオンラインセミナーイベントを開催しています。
なぜグラフィックソフトが必要なのか?
ひと言で映像制作といってもそれにまつわるスキルは多岐に渡ります。 パッと思いつくだけで構成、シナリオ、照明、撮影、編集、モーショングラフィック、合成、音声編集などなど。ここまでたくさんのスキルをひとりで身に付けることは現実的ではないためチームでの業務案件であれば役割分担を、ひとりであれば外部に発注するなどして対応するなどしますが、案件の規模によっては外部に発注する予算がなかったりするでしょうし、そもそも趣味で映像制作をしている人にとっては現実的ではありません。
グラフィックデザインに関するスキルももちろん上述したものの中のひとつ。
映像の世界観を補強するため、または配信媒体やターゲット(年代・性別など)を意識した書体デザインや色の選定にも必要ですしもっと実務的、たとえば情報を正確に伝えるためのテロップデザインであったりと、映像内に配置されるあらゆる画像的要素においてこのスキルを必要とします。
上の画像はAffinity Designerで映像用のグラフィックを制作している場面です。普段V-LOG的な映像をメインで撮影されている方にはあまりピンとこないということはあるかもしれませんが、情報量の多いコンテンツ(その多くが企業案件)になればなるほどその必要性は増すと考えていいかもしれません。
なぜAffinity Designerなのか?
グラフィックデザインソフトといえば「Adobe Illustrator」が有名ですが、都度値上げをしているアドビ製品が必ずしもベストな選択とは限りません。特に外部とやり取りする機会のない制作者であればはっきりいって今の時代においてはコストパフォーマンスが悪過ぎるとすらいえるほど。
このコストを受容できる方であればIllustratorは悪い選択肢ではありませんが、それでもなおAffinity Designerをオススメするのかといえばズバリ「操作方法のモダンさ」と「超高速な動作速度」に尽きます。
比較的歴史の浅いAffinity Designerですが、言い方を変えれば新しいプログラミング技術をもってして生まれたソフトということ。最新のハードウェアの性能を最大限に引き出すために最適化されたおかげで驚くほど高速に動作します。 イメージとしては「Illustrator全シリーズ中で屈指の動作速度を誇るバージョン8の動作速度をさらに高速化したようなソフト」。複雑なものを作り込んでも軽々と動き続けてくれます。
そこに効率的な操作を可能にするUIや操作体系が組み合わさって快適にモノづくりが行えるのがAffinity Designerの素晴らしい点。 そして、多くの人にとって魅力的だと思えるのは購読、いわゆるサブスクサービスではなく買い切り型の製品だということ。 一度購入してしまえばメジャーアップデートが行わない限り追加費用は発生せず、その価格も10,400円とお手頃です。
安価だからといって機能がIllustratorに比べて劣っているかといわれれば必ずしもそうではありません。生成AI系の機能はありませんが以下のイラストくらいであれば簡単に作成することができてしまいます。
先に挙げた3つのポイントの他に、映像制作だからこそ活きてくるAffinity Designer(ここにはIllustratorも含まれます)のメリットは「ベクター(非ビットマップ。どんなに拡大しても画像が荒れることがない)ならではの適応性・柔軟性の高さ」。 この点は少し説明が長くなってしまうため後日また別の記事にて解説させてもらいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか、グラフィックデザインスキルやAffinity Designerの必要性やメリットについて書いてきましたが、逆をいえばこのスキルがないと表現の幅が狭まる、すなわち案件獲得の機会を失ってしまうということでもあります。クライアントの厳しい要件に応えるためにも必要なスキルだということが伝われば幸いです。
確かに、ただでさえ奥深いDaVinci Resolveをこれから覚えていこうという方にとってまた別のソフトを覚えようというのは大変なことかもしれません。それでも敢えてAffinity Designerをオススメさせてもらうのはその先に待っている大きなメリットがあるから。
それに、Step2メンバーの中にはこのツールを気に入り何時間も没頭してグラフィック制作に励む人も出てくるほど楽しいソフトでもあるので身構えず気楽にはじめてみてはどうでしょう(体験版があります)。