DaVinci Resolve 18.6.5のエフェクト完全ガイド

公開日:2024/02/11
最終更新日:2024/02/12

DaVinci Resolveはハリウッド映画でも利用されるようなプロフェッショナルな映像編集、カラーグレーディング、オーディオポストプロダクション、およびビジュアルエフェクトを提供する統合型ソフトウェアですが、実は搭載しているエフェクト数も豊富です。
エフェクトを使えば簡単な操作だけで映像の雰囲気を大きく変えることができるため、DaVinci Resolveを使いはじめの方、特に動画編集を副業にしたいと考える初心者にとって探求し甲斐のある機能なのはまちがいありません。

今回はそんなDaVinci Resolve 18.6.5の豊富なエフェクトを一挙ご紹介、かなりの長文ですが幅広いクリエイティブの可能性が開けることが分かってもらえると思います。


ResolveFX カラー

色に関するエフェクトは映像の雰囲気を大きく左右し、カラーグレーディングの核心をなす部分です。DaVinci Resolve 18.6.5には以下のようなカラーエフェクトが搭載されています。

  • ACESトランスフォーム:異なるカメラやディスプレイ間で一貫した色の再現を可能にします。
  • DCTL:カスタムのカラーコレクション、ルック、エフェクトを映像に適用できます(有償版のみ)。
  • かすみの除去:遠景の映像の鮮明さを高め、明瞭度を改善します。
  • カラーの反転:色を反転させます。
  • カラーコンプレッサー:映像内の色彩の範囲を圧縮し、一貫性を持たせます。
  • カラースタビライザー:映像の色のブレを安定させ色のバランスを整えます。複数の映像の整合性を保つのに有効です(有償版のみ)。
  • カラースペース変換:異なるカラースペース間で映像を変換し、色の一貫性を保ちます。
  • コントラストポップ:映像のコントラストを強調し立体感のあるイメージを作り出すエフェクトです(有償版のみ)。
  • スピル除去:クロマキー撮影などで発生する背景色のスピル(色の滲み)を除去するエフェクト。自然な合成結果にするために使用します。
  • フォルスカラー:映像の露出レベルを色で表示するエフェクト露出の確認を容易にし正確な露出設定をサポートします(有償版のみ)。
  • フリッカーの追加:映像にフリッカー(ちらつき)効果を追加するエフェクトです。古い映画やビデオの劣化した雰囲気を再現したり、特殊な効果を与えることが出来ます。
  • 色域マッピング:異なるカラースペースやディスプレイデバイス間で色を正確に変換しマッピングするエフェクトです。
  • 色域リミッター:映像の色域を特定の範囲内に制限するエフェクトです。
  • 色順応:映像の色温度を異なる照明環境やカメラ設定に合わせて調整するエフェクト。一貫性のある色調整を行い、異なる条件下で撮影された映像の色合いを統一するために使います(有償版のみ)。


ResolveFX キー

キーヤー関連エフェクトはグリーンスクリーン撮影などで発生する不要な背景を削除する際に使用されます。

  • 3Dキーヤー:色、明度、彩度に基づいて複雑なキーイングを行うために使用するエフェクトです。
  • HSLキーヤー:特定の色範囲を選択し、際立たせるか除去することができます。
  • アルファマットの縮小&拡大:アルファチャンネル(透明度に関するパラメーター)のエッジ(輪郭)を縮小または拡大し、キーイングのエッジを滑らかにします。
  • ルマキーヤー:明度情報に基づいてキーイングを行うエフェクトです。


ResolveFX シャープ

映像の鮮明度やエッジの強調に関するエフェクトは映像の細部を際立たせます。

  • シャープ:映像の鮮明さと輪郭を強調し、細部をクリアに表示します(有償版のみ)。
  • ャープエッジ:映像のエッジを強調するエフェクトで、オブジェクトや被写体の輪郭のみをシャープすることができます(有償版のみ)。
  • ソフト&シャープ:映像の一部をソフトに、他の部分をシャープにするといった使い方が出来るエフェクトです。


ResolveFX ジェネレート

映像の生成とパターン作成に関連するエフェクトは背景やオブジェクトに色を追加したり、色調を調整したりするのに使用されます。

  • カラージェネレーター:特定の色を生成し、映像にオーバーレイできます。
  • カラーパレット:カラーグレード用のカラーサンプルを表示するエフェクトです。
  • グリッド:映像に格子状のパターンを追加します。


ResolveFX スタイライズ

エンボス、水彩画、ブラーなど、映像を特徴的なスタイルに変換するエフェクト群です。

  • エッジ検出:イメージのエッジと輪郭を強調して立体感を生み出すエフェクトです。
  • エンボス:イメージに立体的なテクスチャを追加し、彫刻のような外観を与えます。
  • スタイル変換:映像に独自のスタイルや外観を適用できるエフェクトです。
  • ドロップシャドウ:オブジェクトに影を追加し立体感を追加するために使用するエフェクトです。
  • ビネット:イメージの端を暗くします。視点を中心に誘導するために使用されるエフェクトです。
  • ブランキングフィル:映像の一部を隠す効果のあるエフェクトです。
  • ブラー(ティルトシフト):ティルトシフト効果をシミュレートし、イメージの被写界深度を調整エフェクトです(有償版のみ)。
  • ブラー(プリズム):プリズムに似た光学効果を追加し反射と屈折を強調するエフェクトです。
  • ミラー:映像を水平または垂直に反転させるエフェクトです。
  • 抽象化:映像を抽象的なアートスタイルに変換してクリエイティブな視覚効果を追加するエフェクトです。
  • 水彩画:映像を水彩画のような外観に変換するエフェクトです。
  • 空の置き換え:映像の空を異なる空のイメージに置き換えます。天候や背景を変更するのによく使用されるエフェクトです。
  • 走査線:古いテレビ画面の走査線を模倣するエフェクトです。
  • 鉛筆スケッチ:映像を鉛筆で描かれた手描きのアート的な質感に変換するエフェクトです(有償版のみ)。


ResolveFX テクスチャー

映像にテクスチャーやノイズを追加し、質感を調整するエフェクトです。

  • JPEGダメージ:JPEG圧縮によるブロックノイズを追加するエフェクトです。
  • アナログダメージ:映像に古いビデオやフィルムのような外観を追加するエフェクトです(有償版のみ)。
  • テクスチャーポップ:映像のテクスチャーやディテールを際立たせ鮮明さを向上させるエフェクトです。
  • ディテールの復元:イメージの細部やディテールを復元します。白飛びしてしまった映像など劣化した映像を修復するのに役立ちます(有償版のみ)。
  • ファストノイズ:映像にノイズを追加しヴィンテージな外観にするエフェクトです。
  • フィルムグレイン:フィルムの粒子効果を追加するエフェクトです。
  • フィルムダメージ:フィルムの傷や劣化を模倣したヴィンテージな外観を追加するエフェクトです。


ResolveFX テンポラル

ストップモーションやモーショントレイルなど、時間に関連するエフェクトで映像に特別な時間的効果を加えます。

  • ストップモーション:映像をストップモーションアニメーションのような効果に変換し、一連の停止フレームを作成します。
  • スミア:動きのぼかし(ブラー)を追加しエフェクトやトランジションをスムーズにするエフェクトです(有償版のみ)。
  • モーショントレイル:オブジェクトの動きの軌跡を追加するエフェクトです(有償版のみ)。
  • モーション・ブラー:映像の高速な動き・シーンに対しモーションブラーを追加するエフェクトです。


ResolveFX トランスフォーム

映像の動きの変化に関連するエフェクト群。シーンに動的な要素を追加します。

  • カメラシェイク:カメラの振動を模倣し、シーンにリアルな揺れを加えます。
  • サーフェストラッカー:オブジェクトに追従しその動きをトラッキングするエフェクトです。
  • ビデオコラージュ:複数のビデオクリップを組み合わせて1つの合成映像を作成するエフェクトです。
  • マッチムーブ:異なるクリップ間で一貫性のあるカメラワークを実現するために使用。カメラの動きを解析し別のオブジェクトと合成するのに使うエフェクトです。
  • 変形:オブジェクトを歪ませたり変形させたりするエフェクトです。


ResolveFX ブラー

映像のぼかし効果に関連するエフェクトは視覚的な焦点を調整したり、特定の領域を強調したりするのに使用されます。

  • ブラー(ガウス):イメージを滑らかにし柔らかな外観を作り出します。
  • ブラー(ズーム):イメージぼかしを加えてズームアウトするエフェクトです。
  • ブラー(ボックス):四角形のボックス状のぼかしをイメージに追加するエフェクトです。
  • ブラー(モザイク):イメージの一部をピクセル化して隠す効果。プライバシー保護や匿名化に使用されるエフェクトです。
  • ブラー(レンズ):レンズの特性を模倣し自然なボケを追加するエフェクトです(有償版のみ)。
  • ブラー(放射):イメージの中心から外側に向かってぼかしを加えるエフェクトです。
  • ブラー(方向):任意の方向にぼかしを加えるエフェクトです。


ResolveFX ライト

光に関連するエフェクトはシーンに美的価値を加え特定の雰囲気を作り出します。

  • アパーチャー回折:レンズの絞りを通過する光が回折して美しいボケ効果を加えるエフェクトです(有償版のみ)。
  • グロー:明るい要素やエッジの周りに柔らかい光を追加し幻想的な雰囲気を作り出します。
  • ハレーション:明るい光源周りに輪郭の光沢を追加します。光源がまばゆく輝いて見えファンタジー的な雰囲気が演出されます(有償版のみ)。
  • レンズフレア:光がレンズ内で反射することで生まれる光の効果を再現するエフェクトです(有償版のみ)。
  • レンズ反射:カメラレンズに当たる光が反射して生じる効果を模倣するエフェクトです(有償版のみ)。
  • 光線:シーンに光線が入射する様子を再現するエフェクトです。


ResolveFX リバイバル

映像の修復とリストアに関連するエフェクト群。映像品質を向上させクリーンな映像を実現します。

  • オブジェクト除去:映像から不要な物体を取り除くエフェクトです(有償版のみ)。
  • オブジェクト除去:映像から不要な物体を取り除きます(有償版のみ)。
  • ダストバスター:フィルムや映像に存在する埃や汚れを自動的に除去して映像の品質を改善するためのエフェクトです(有償版のみ)。
  • デッドピクセル修正:映像内のデッドピクセルを自動的に修正するエフェクトです。
  • デバンド:映像内のバンディングアーティファクトを除去し、映像品質を向上させるためのエフェクトです。
  • ノイズ除去:映像内のノイズを低減しクリアで滑らかな映像を生成します(有償版のみ)。
  • パッチリプレイサー:映像内の特定の領域を他の映像で置き換え不要なオブジェクトを消去したり新しい要素を挿入したりできるエフェクトです(有償版のみ)。
  • フリッカー除去:映像内の点滅やフリッカーを低減することができるエフェクトです(有償版のみ)。
  • フレームリプレイサー:映像内の個々のフレームを他の映像で置き換えて連続的な動きを滑らかにするエフェクトです。
  • 自動ダート除去:映像内のダートや微細な汚れを自動的に取り除くためのエフェクトです。
  • 色収差の除去:映像内の色収差を修正するためのエフェクトです(有償版のみ)。


ResolveFX リファイン

映像の調整とリファインメントに関連するエフェクトは映像の美しさを高め細部を調整します。

  • カスタムミキサー:カラーグレーディングを高度にカスタマイズできるエフェクトです。
  • ビューティー:肌の滑らかさを向上させ、美しい外見を実現します(有償版のみ)。
  • フェイス修正:顔の特定の要素を調整し、美肌効果を提供します(有償版のみ)。
  • リライト:映像内の任意の箇所に照明を当てたような効果を与え、シーンの雰囲気を変えるエフェクトです(有償版のみ)。
  • 深度マップ:映像内の被写界深度情報を活用して奥行き感を強調するエフェクトです(有償版のみ)。


ResolveFX ワープ

映像の歪みとワーピングに関連するエフェクトは創造的な視覚効果を生み出し映像にユニークなスタイルを加えます。

  • うねり:映像に波紋やゆがみを追加しクリエイティブな視覚効果を追加します(有償版のみ)。
  • デント:映像内のピクセルを歪ませ歪み効果を生成します(有償版のみ)。
  • リップル:映像内の波紋や振動を模倣するエフェクトです(有償版のみ)。
  • レンズ歪み:特定のレンズの歪みを補正または強調するエフェクトです(有償版のみ)。
  • ワープ:映像を歪ませたりねじ曲げたりするエフェクトです(有償版のみ)。
  • 渦:映像内に渦巻きや渦状のエフェクトを追加するエフェクトです(有償版のみ)。


いかがでしたでしょうか、これら膨大なエフェクトたちを持ってしても実はDaVinci Resolve 18.6.5機能の一部に過ぎません。動画編集をまだはじめたばかりの方でもこれらのエフェクトをうまく使うことができればそれなりに見栄えのイイ映像を作り出すことが可能ですので、一度腰を据えて取り組まれてみてはどうでしょうか。